映画レビュー『八日目の蝉』をいまさらながら観

どうもメンマです。

映画の感想を発信していきます。基本はネットで無料配信されているものを見ているので、古い映画メインですが、ネタバレ注意です

まあ、自分のシナリオの勉強を兼ねての発信なので、レビューなんていう大げさなものではなくて、メモぐらいに思ってください~。自己満です。

今回観た映画は、成島出監督の「 八日目の蝉」です。Amazonprimeで観ました。

今日まで母親だと思っていた人は、自分を誘拐した犯人だった。21年前に起こったある誘拐事件―。不実な男を愛し、子を宿すが、…

あらすじは知っている人も多いのではないでしょうか。

赤ん坊をさらった誘拐犯が4年間、母親として子供を育てる話です。

そして、その赤ん坊は自分が誘拐犯に育てられたことを知って、もとの母親のもとに戻った後も苦しみながら生きていく様子が描かれています。

映画のなかの時系列はバラバラで、過去と現在が混在しています。

それでも最初にあらかたの内容が説明されているので、話についていけなくなることはありませんでした。

冒頭はモノローグから始まります。実の母と誘拐犯である偽物の母親。二人の主張が交互になされます。

そして、犯行当日、誘拐犯が傘をさして、親子を見つめる姿がなんと19秒流れ続けます。その間、カメラはほぼ動かず、表情もあまり変わらず。長い。その後もセリフのないシーンが続くものの、なぜか見ていられました。なぜだろう。多分、雨とかの効果音のおかげかなと思ってます。

普通、19秒も同じシーン使おうと思わないですよね。最初からビビりました。

そして思ったのは、全体的に絵が暗い。夜のシーンが多いというのと、昼間でも屋内のシーンなので色味が暗くなっています。

この作品全体を通して映画としてのいい雰囲気を出してはいます。

ただ、私個人的には、色味が暗いシーンが続くと、目と心が疲れるので、もう少し明暗差は欲しいと感じるときもありました。

これって結構重要で、悲しいシーンや重大なシーンって、明度を低くしがちなんですけど、見ている人のためにあえて、雰囲気を変えるために明度が高い(かならずしも気分的に明るいわけでなくてもいい)シーンを挟むことも大事だと思います。

成島出監督は、「ソロモンの偽証」の監督でもあります。あの時も確かに全編通してこのくらいの明度だったような気がします。

「八日目の蝉」の脚本についてですが、この脚本は、 角田光代さんの小説を原作としており、奥寺佐渡子さんによって脚色されたものです。

「八日目の蝉」は、第35回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞しています。

やはり受賞作だけあって、最初から最後まで目をひきつける作品です。

というかそもそも、ストーリーラインは最初から全員が知っている状態なわけです。

・誘拐犯が誘拐。

・誘拐した赤ん坊を育てる。

・途中で警察に捕まり、子供は元の母親のもとに戻る。

この全体的な内容をすでに知っているにも関わらず目が離せないのは、

第一に、構成を時系列バラバラにすることで、既知の事実(子供が誘拐され育てられること)と未知の事実(子供のその後)を混在させることで飽きることなく物語を見させるということ。

そして第二に、逆に逮捕され子供が元の親に戻されるということを観客は知らされているので、その時がいつくるかということを観客は楽しみにするということが理由でしょう。

複雑な心情が絡み合うはずのストーリーを難しくすることなく観客に示したのは、脚本家奥寺佐渡子さんの優れた力量でしょう。

私個人が最も秀逸だと思ったことは、タイトルです。

タイトルは原作である角田光代さんの小説のときからですが、「八日目の蝉」というタイトルの語ることの多さです。

蝉は一週間しか生きられないということは、かなり有名ですよね。それをあえてタイトルに使うことで、短い字数でより多くの想像を観客にさせることができます。

私がこのタイトルを見たときにおもいうかんだのは、余命宣告されて残り僅かしか生きられないような人が必死で八日目を生きようとする姿です。

結果は、誘拐犯とその子供の生きざまだったので、予測は外れましたが、このようにタイトルからワクワクさせることもとても大切なことですね。

この脚本で少し気になったのは、セリフの冗長さです。

とても詩的で素敵なセリフがでてくるのですが、たまに余分だなと思うセリフがありました。

例えば、冒頭、誘拐された側の母親がモノローグで言ったセリフ

「命を奪えば死刑なのに、私たち親子の心を奪いズタズタにしてもあの女は死刑にはなりません。」

このセリフはとても力強く発せられ、深い意味を持つかのように語られるわけですが、よくよく文字に起こしてみると、そんなに深くはないですね。

命を奪うのと心をズタズタにするを比べると、やっぱり命を奪うほうが罪が重いよなとは思ってしまいます。

それから、途中ででてくるこんなセリフ

「蝉って3日で死ぬんだって」

「3日じゃないです、7日です」

に関しては、明らかなタイトル回収のような気がして、うーん。という感じ。

さすがにそれは言わなくてもわかるし、言ってしまうと、タイトルの深さというか想像させる力が奪われると思うんですよね。

蝉が7日で死ぬことを知らない人には親切かもしれないけど、それをすることによって、知っている人にとってはなんか、胡散臭いというか、もったいなく感じますね。

それから何度か蝉に関する話がでますが、それも語りすぎているような気がします。

8日目の蝉が何を示唆しているのかもう少し観客にゆだねてもよかったのではないでしょうか?

このブログを読んで、映画を見る方はぜひ、この8日目の蝉が何を表しているのか考えながら見てくださいね。

それでは今回はこれまでにします。

八日目の蝉、ぜひ観てください~!

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